もし、少しの願望が許されるとしたなら。俺はきっとお前の目に映るような星になりたい。それが何等星であったとしても、どんな形であっても。
そしたら、毎日そんなにも愛らしい微笑みを見せてくれて、お互いがたくさんの幸せを分け合えたりなんかするんだろう。




ああ、偽者でも、そうなりたかった。
俺は自分を馬鹿にするように、真っ暗な空間の中、嘲笑った。
お前にとって俺は六等星で、周りの誰よりも俺に気付きはしない。
蓮二のデータなんかを借りた日には、きっと数字は0という一文字で埋め尽くされるんだ。
たとえほんの可能性があったとしても、きっと限りなく0に近い数字。
だって、六等星は一等星と、約100倍の輝きの差があるのだから。
それでも、こんな俺に気付いてくれれば、なんて考えるわけで。
俺も灼熱の光を浴びて、輝いてみたかった、といえば、嘘とはいえないけれど。

(だけど他の誰よりもお前を想っている自信だけは、ある)(報われなくても、ただ)




「お前の力になってあげたい」




それが果てしなく無謀な願望と知りながらも。




映らない等星。

(いつか、ほんの微かな俺の光に気付いて!)(なんて、それこそ月になるより難しい)










20081121(かなしきげんいちろ!)